ネグロス島のバコロド市でイタリアン・レストラン「プッチーニ」を経営するジャッコは、膨大な借金のせいで、ドルポとその一味にレストランを差し押さえられてしまう。ドルポ側に雇われた女性コンサルタントのキャシーはレストラン再建を図ってジャッコに様々な要求を課す。投げやりなジャッコはキャシーと衝突するが、徐々に地元の食材の豊かさに気づき、祖母が遺したネグロス料理のレシピから多くのことを学び始める‥。劇中にも登場するチキン・イナサル(鶏のバーベキュー)を筆頭に、肉や魚介から野菜まで幅広い食材を使ったネグロス料理(あるいはバコロド料理)はマニラ首都圏でも大人気だが、本作は斜陽のレストランを地元の味で立て直そうとする若者たちをコミカルに描いている。ジェイ・アベリョはフィリピンの人気監督の一人で、近作では『オレンジ・ドレスを着た女』(18)が大阪アジアン映画祭2019で上映されている。2020年に亡くなった巨匠監督ペケ・ガリャガがボスのドルポ役で出演している。シネマラヤ映画祭2008でプレミア上映された。